アメリカで実際にあったといわれている事件。
二十数年前とある殺人事件が起こった。
未解決事件として、捜査は警察からFBIに引き継がれた。
証拠の洗い出し、地道な捜査で一人の青年が目撃者として出てきた。
FBIによると、その二十代の青年がまだ幼いとき、事件現場に居合わせた可能性が高いという。
もちろんその青年に事件の記憶はなかったが、FBIは当時流行していた逆行催眠を使って当時目撃したものを引き出すことにした。
呼ばれたのは有名な催眠術師。
青年を催眠状態にするとどんどん記憶をさかのぼっていく。
ついには青年が三歳の頃の記憶を引き出すことに成功した。
その結果、犯人はその青年の父親であることがわかったのだ。
父親は逮捕され、裁判でもその証言は科学的にも根拠があるということで採用となり、父親は有罪になってしまう。
しかし、後日別件で逮捕していた別の男が犯行を自供したため、父親は無罪放免となった。
この事件がきっかけで、逆行催眠による記憶はあいまいでいい加減なものが多いことがわかり、以降アメリカでは裁判の証拠として使われることが無くなったそうだ。
しかし、今現在、逆行催眠による証言を重要な証言として扱っている国がいまだにある。
それはほかでもない、日本だったりする。