人毛

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

今年のGWに某所にキャンプに行った時の話です。

当初行く予定だったキャンプ場が閉鎖されており、峠のうどん屋に入って主人に近くにキャンプ場はないかと訪ねた。
教えてもらったキャンプ場が遠く、また高規格の騒がしそうな所だったため、車でうろうろと付近を探す事にした。

幸いにも近くにキャンプ場の看板を発見!
が、入り口にロープがはっており、どうしようか迷ったが、車をとめて中に入る事にした。
管理棟(宿泊もできるような)があったが、すべての窓ガラスが割られていて、中にある食堂も椅子やテーブルがひっくりがえって荒れ放題であった。
かなり気持ち悪かったがすでに夕刻であり焦っていたため、テントサイトは廃屋から少し離れているし、勝手にテント貼ってしまおうか、と奥に続く道を降りて行った。

降りて行くと広くはないがぽっかりと開けたサイトになっており、水のでない炊事場と物置き、そしてトイレがあった。
トイレには鎖がぐるぐるに巻き付けてあり南京錠がかかっていた。

どこにテント貼ろうか?とウロウロしかけたとき、奇妙なものが落ちているのが目に入った。

女物のとても長いウェーブへアのカツラだった。
一瞬人毛かと思いびっくりしたが、すぐに髪質でカツラと解り近くに寄って見てみると、そのカツラにはSMの拘束具のような皮バンドが付いていて、どうやらあごやおでこで止める様な物のようで、カツラと言うよりはヘッドギアのような印象をうけた。
さらに1メートル位離れた草むらにもうひと塊の髪の毛の様なものが・・・。

近くに寄ってみるとそちらはどうみてもさっきのカツラとは違う人毛であった。
しかも、あちらこちらに飛散している。
その塊がみょうにこんもりと盛り上がっているのが気になったが、さすがにめくってみる勇気はなかった。

「キモイ!!」と大騒ぎしていて物置きにふと目をやると閉鎖してしばらく経つであろうキャンプ場に似つかわしくない新しいベビーベッド(手にもつかご状のもの)が薄暗い小屋のなかポツンと置いてあった。

あまりの気持ち悪さに逃げるようにして車にもどった。

あのヘッドギアのようなものは一体なんだったのか。
そういうプレイを山でやる輩がいるのか。そしてなによりあの髪の毛の下には、、と思うと今でもゾッとします。

通報とも思ったが見なかったことにしてしまった。

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