小学校の3~4年の頃だと思う。
近所の防風林で女性の死体が吊るされている姿が視界の端に入った。
怖くなってすぐに目線を外したんだけど、どうしても気になってしまい凝視してしまった。
最初は首吊り自殺のように見えてが、枝から直接吊るされているのは腐った樽のような物で、その上から上半身(胸から上)が出ていて下は太ももの中間から出てる様な状態。
その時は半ベソかきながら家に帰って母へ報告したが上手く説明できない上、余り真剣に取り合ってくれてないようだった。
夜になっても泣き止まない私を見て両親と一緒に確認しに行こう!という話になったが、私は嫌がって断ったので父だけが見に行った。
父の話ではやはりそこには何も無く見間違えだろうという事になった。
私ははっきりと見た自信があったので余り納得はできなかったが、父が嘘を付く訳もないので既にそこには無いという事には安心していた。
高校に入った頃にはそんな事も忘れ、現地を通っても何事もなく過ごしていた。
今は平々凡々な社会人なのだが、昨日の夕方にまた見てしまった。
取引先からの帰りの運転中に遠目で違和感を感じ、一気に記憶が蘇るが、さすがに錯覚だろうと思い、軽い気持ちで真横に来た時に視線をやると、当時の記憶そのままの女性の姿がはっきりと見えた。
途端に怖くなり逃げるように速度を上げ会社に戻る。
今、自宅に戻り冷静に考えるとやっぱり錯覚だと思う。
でもすごく気分が滅入ってしまって寝付けないでいる。
すっかり忘れてた話だったのに、またあそこ通るのが怖くなってしまった。
記憶ってなかなか消えないものだね。