必ず会社が潰れる

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

不思議な話を2つ。

うちの親父は疫病神をもっているのかもしれない。

親父が辞めた職場は一ヶ月以内に潰れる。
その会社や店に就いた当初は人間関係も円満なんだが、しばらくすると親父が体調崩したり、怪我をしたり、人間関係で不和が起きたりして、そこを辞めざるをえなくなる。
すると勤め先がまもなく倒産する。
店だった場合はその親会社から潰れる。
10近くの会社があてはまり、例外はない。

あと、俺の高校に通ってた頃の話。
遅くきた中二病だった俺は一時期図書室に通っていた。

放課後にふらりと図書室に入る→人気があまりない棚に近づいて適当な本を物色する。
毒物とか薬物、宗教、タイトルがかっこいいなど、全然興味ない本を手にしてざっと目を通し、しばらく考えるそぶりをして似たジャンルの本を数冊手に取り貸出カウンターに向かう。

もちろん借りるだけで読まなかったが当時は「関連性のない雑多なジャンルの、しかも専門分野に特化した本を読む不思議な生徒」になりきっているつもりだった。

しかしある時、そんな感じで適当な棚に行って適当な本を手に取り、パラパラと開いたところポストカードが挟まっているページに止まった。
それは美術館とかで売ってそうな、花の絵をポストカードにしたような感じだった。

そんなにふるぼけてはいない。
前に読んだ人間が栞代わりに使ってたのかと思ってその本は棚に戻した。

ちょっと現実に戻されて興を削がれた俺は仕切り直そうと思って、別のジャンルの棚に移動し、また適当な本を手にした。
その本にもポストカードがあった。

今度はちょっと古そうな感じのものだった。
絵柄は覚えていない。
二回続いたことが不気味に感じたのでその日は何も借りずに帰った。

次の日は図書室に行く気がしなかった。
週末を挟んで、ただの偶然だと思うことにしてまた図書館に向かった。
最初に花のポストカードが挟まってた本を確認してみた。
ポストカードはまだあった。

次の本も確認してみた。
ポストカードはなかった。

その辺の本を何冊か見てみたがポストカードはなかった。
もしかしたら2枚目のポストカードは自分の勘違いだったと思うことにして、また適当な本を探しに行った。

そのときは色々考えた末に宇宙とかその辺のジャンルの棚についた。
目にとまった本を開くと、最初に開いたページにまたポストカードがあった。

これは裏になにも描かれていない真っ白なものだった。
不気味に思って全く別の棚にむかい、本を開いた。

今度はポストカードはなかったが、最後のページにセピア色の写真があった。
何回か折られたみたいで折り目がいくつもついていてボロボロだった。
花がいっぱい映っていて、多分花畑だと思う。
真ん中に一人、おそらく女の子が映っていた。

あんまり特徴が無い写真で、後ろに何が書いてあるわけでもなかった。
最後のページについてる貸出記録には20年以上前の日付がひとつあるだけだった。

俺はこれに懲りて図書館に通うのをやめた。
俺は適当に本を開いてただけなんだけど、誰かの意志でやらされてたんだろうか・・・。

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