東南アジアの田舎に行った日本人の客(西丸氏)が地元の子供達が、大声で叫びながらお化けの真似をして遊んでいるのを見た。
その叫び声が気になった客が宿の主人に聞いてみると「ああ、この近くの森の奥では、ああーーーーーーと叫ぶお化けが出るんですよ」とのこと。
もちろん皆日本語などまったく分からない。
タオルやぼろ布を被り、子供達は「グンソウドノー!!」と叫んでいた。
戦争が終わって日本も復興、経済大国になった頃、南方の原住民調査のためにかつての激戦地ニューギニアの山中に入った。
そこで原住民と仲良くなって、一緒に生活しているうちに、日没後は彼らが山の中に決して入ろうとしないことに、西丸氏は気づいた。
西丸氏の「なぜ、夜は山に入らない?危険な野獣とかいるのか?」との問いに、原住民は「野獣はともかく、とにかく気味が悪い。姿は見えないけど、あちこちから意味不明の人の言葉が聞こえる。でも、人の姿はやっぱり見えない。白骨はいっぱいあるから、あれはその白骨の精霊だと思う。夜の山は生きた人が入る場所ではない」との応え。
西丸氏:「意味不明の言葉ってどんな?」
原住民:「『ガヌバレ』『シカリシロ』と聞こえる。私たちの言葉ではない」
・・・・・・だったそうだ。