車椅子が往復する

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

実家の近所に精神病院がある。
幼稚園児のとき、親に危ないから近づくなと云われてた病院。

事実、塀は高いし、30年近く前は木々が鬱蒼と生い茂って、建物はボロいの上に日中でも閉門された廃屋を思わせる趣で爺様に鉄格子のある怖いところだと聞かされていた。

それでも2000年前後から少しずつ改修されたらしく、以前よりは不気味な感じは減って、聞くところによると、認知症の年寄りなども受け入れているらしかった。

2011年の秋頃、仕事の関係で丑三つ時に帰宅し、小腹が空いたので病院の斜向かいに出来たコンビニに行くことにした。

薄暗い街頭の下、車椅子に乗った青白い老婆が病院の方から、キコキコと音を立てて車道を進んでいく。
病院から50m以上離れていたと思う。

えっ?一人?
何でこんな時間に車道を?

病院の斜向かいにあるコンビニに歩いていくと、真夜中過ぎにも関わらず病院の門は開かれ、病院の明かりもついてて門の前で看護婦さんたちが何人もウロウロしていた。

珍しいなーと思いながらも斜向かいのコンビニで買い物を済ませ店を出るまで3分も経っていなかったと思う。

店を出て元の道を歩く際にふと病院を見たら真っ暗。
門もいつもどおり閉門してて、静まり返っていた。

あれ?
2-3分で車椅子の老婆を回収して閉門して消灯?と猛烈な違和感を覚えて小走り気味に帰宅後、夜食を食ってると、家の前の道を何度もキコッキコッと車椅子が往復する音が聞こえる。

翌日も真夜中に車椅子の音に起こされて、煙草を吸うついでに表に出たが誰もいない。
そのままコンビニに夜食を買いに行ったら病院はやはり閉まっている。

10日位続いたら車椅子の音も聞こえなくなったが、未だに気になっている。

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