二十五年ほど前の十月に梅好きの祖父死去から始まった話。
俺の父親と叔父が相続で揉めた。
叔父が「あの畑を相続してラブホテルにして一山当てたい。その筋の人とも話をつけ始めている」と。
これに父親激怒。
ここからトラブルが始まるがトラブルについては省略。
一周忌を迎えるころにはその筋の人も加わったトラブルに悪化していくが、不思議なことにこの年から十月に必ず梅が咲くようになった。(ただし二月三月は咲いていない)
三回忌のころは弁護士を交代させるなど状況はさらに悪化していくが、梅はその十月も咲き誇り、結局五年間梅は十月に咲き続けた。
そして相続が夏に解決しまもなく九月も終わるころに気が付いた。
梅は立ち枯れていた。
googleってもらえばわかるが、植物学的には狂い咲きのメカニズムは解明されている。
だが、そうではなくて祖父の思いが梅に現れたと信じたい。