月: 2018年4月
虫の知らせのようなもの
親父の墓参りを済ませて、自分のアパートに帰ってきたのは夜の八時ごろだった。 玄関を開けると、テレビが点けっぱなしになっているのが音と光で分かった。 しまったな、と思いながら電気を点 [続きを読む]
見ていた事に気づかれていた
平日昼間に暇を持て余した父は、電車に乗って適当に下り方面に向かっていた。 乗客は自分と、斜め向かいの少し離れた座席に座り、顔を僅かに伏せている男性だけ。 その男性の背後の窓から、夕 [続きを読む]
死ぬことにポジティブ
うちは零細自営なのですが、9月に入ってから売り上げが低調な日々が続いていました。 子供をプールに送った帰り、立ち寄った公園のトイレがどうにも魅惑的に見えてしまい、つまり・・・とても [続きを読む]
秋の香りで思い出す恐怖
吹き抜ける風に金木犀の香りが混じりだすこの季節。 まだ子供だった頃、この季節の変わり目の匂いを嗅いでは、なんとなくワクワクした気持ちが胸の底でうずめいていたのを覚えている。 しかし [続きを読む]
そういう日には必ず夢を見た
夫の実家での話です。 私は見たことがないんだけど、15才の長女がたまに夫の実家の仏壇の前で、御先祖の霊を見るらしい。 夜中トイレに起きた時、リビングのほうにある仏壇が白く光ってるの [続きを読む]
信念がないと続かない仕事
私の友人の一人に、葬儀関係の仕事をしてるのがいます。 葬儀屋は大抵、自前の通夜、告別式、お清め、親族の休息所を持ってます。 でも毎晩式が有るわけも無く、広い会場が夜中に無人になる事 [続きを読む]
娘には見えていたらしい
自分は30年以上生きてるのに一度もおかしなものを見たり聞いたりしたことないのに、娘は幼い頃に二度変なことを言ったことがあった。 最初は娘が二歳くらいの時、お風呂の後部屋に戻るのに娘 [続きを読む]