ほんのり怖かった体験。
大学の時、ほとんどガッコに行かずバイト三昧だったの。
なか卯みたいな小さな食い物屋で朝から働いてた。
暇だから俺ともう一人はカウンターで雑談してて、店長は厨房の奥でうたた寝してた。
真昼間だけど曇りで薄暗かったのはよく覚えてる。
ぼーっとしてたら、店長がいきなり「コラァァ!スラ仏!」とか言って怒りながらカウンターに入ってきた。
バイト2人で訳も分からず首を傾げていたら、「・・・お前じゃないのか・・・?」って急におとなしくなった。
後で聞いたら、俺のいたずらだと最初のうちは思ってたらしい。
3人で店長が寝ていた厨房に行く。
いつもの厨房。
いつもの流し。
いつもの包丁。
いつものまな板・・・の上に、真ん中に、肉が置いてあった。
子供の手のひらくらいの大きさの肉。
捌いたばかりの鶏肉のような塊が・・・。
ちょっと血がにじんでる。
俺たち3人で凍りついた。
・・・なんでかって?
だってウチ、たこ焼き屋なんです。
肉なんて全く使わないから冷蔵庫にハムすらない。
とりあえず、換気扇にネズミが突っ込んで自爆したのが飛んできた、ていう偶然みたいな原因をこじつけてみんなで納得したんだけど・・・。
100歩譲ってアレがネズミだとしたら・・・俺、その肉ちゃんと見てたんだけど、なんで皮が全体的に剥けて残ってないの?
あと、アタマはどこいった?
俺はしばらくしてそこを辞めた。