死ぬ程怖いかはわからんが、俺の実体験。
ちょっと前まで使ってた通学路にでかい歩道橋があって、そこを通って行くのが学校への最短距離だった。
毎日そこを使ってたんだけど、一年くらい前、朝早く学校に行かないといけない用があって、いつもより一時間くらい早くその歩道橋を歩いてた。
結構朝早くだったから俺の近くにはすぐ前を歩いてる通勤中のおっさんのみで、歩道橋の下を車は走ってはいるけど、他に人影みたいなものはなかったと思う。
おっさんと縦に並ぶ感じで階段を降りはじめたら、後ろから走ってる足音が近づいてくんの。
運動靴とかでの早朝ランニングみたいな感じじゃなくて、ヒールをカンカン鳴らして走ってる音だった。
階段の横幅は余裕で五人は通れるくらい広かったから別に避けるでもなく普通に歩いてたんだけど、その走ってきた人が俺の横を通り過ぎた途端、階段を踏み外したみたいに勢いよくすっ転んだんだよ。
ほんとすごい勢いで階段を落ちてって俺もおっさんも唖然。
その人は髪の長い普通の恰好した女の人で、落ちていく瞬間、本当に一瞬だったんだけど、その長い髪の間から見えた目と目が合った気がした。
だけど次の瞬間、瞬きなんかもしてないのにその人は忽然と消えちゃって、ほんと説明のしようがないんだけど、とにかくぬるっと跡形もなく消えた・・・。
俺もおっさんも暫くぼけっと突っ立ってたけど、俺は途中で学校に行かないといけないことを思い出して慌てて学校に向かった。
もしかしてさっきの女の人が所謂幽霊だったんじゃないか?と思い始めたのは学校についてからだった。
オチなどない。
とにかくその女の人の振り乱れた髪から見えた目が忘れられない。
結局それから学校へは遠回りの道を使って行くようにした。
もう二度とあの歩道橋は使いたくない。