今代で途絶えるので吐き出しにきた。
母方の曾祖父、万五郎じいさんは、元は九州の氏族の跡継ぎだった。
しかし、じいさんは東京に出て新しい名字を名乗り、家は妹が婿をとって継いだ。
なぜ万五郎じいさんが実家を出たのかというと、氏族に伝わる呪い?っぽいものを引き受けるためだった。
じいさんの家は男児が途絶えやすく、定期的に養子を迎えて存続してきた。
どうしてか、じいさんは「自分が継ぐと滅びる」と思ったらしい。
実際、従兄弟で家名は途絶える。
母と従兄弟にいる子供はみんな女。
従兄弟の妻は亡くなり、母はもう子供は産めない。
母の叔父は失踪し、母の兄は子供がいないまま若くして亡くなった。
偶然と言えば偶然だが、ほぼ万五郎じいさんの言った通りの途絶えかたで、本家は存続している。
妙な経験をしたこともあり、引き受けたってのは本当なのかなと思っている。
本家はうちの存在も知らないだろうが、途絶えずにいてほしいものである。