昔住んでたアパートのこと。
ロフト付き木造の1階。
日当たりもまあまあで3年ほど住んでたんだ。
風呂トイレ別。
リビング、ロフト、廊下にキッチンのフツーの一人用住宅って感じ。
窓の外は空き地だったけど、引っ越す直前にはまたアパートが建つみたいだった。
引っ越す原因を話すと必ず笑われるけれど、霊感(霊体験共に)ほとんど無い俺には凄い衝撃的な出来事だった。
今から5年くらい前の12月くらいだったかな?
寒くて毛布に包まって寝てた。
トイレに行きたくて起き上がったんだが、ロフトの天窓にチラチラ映る影が見えたんだ。
よーく見たんだが、どうにも人っぽいから、泥棒だったら懲らしめないと・・・って思ってロフトに上がって窓を見上げたら・・・ハゲたオッサンがペロペロ窓を舐めてるんだよ。
内心、は?って思ったし、尿意が引っ込んだ。
怖いとかいう以前にキモチワルイし、上半身裸のハゲたオッサンがずっとペロペロペロペロ窓を舐めてる。
フザけんな!!と思って窓にゴミ箱を投げつけたら、ニタァーって笑ったあと、またすぐにペロペロ舐め続けてる。
気持ち悪くて警察を呼ぼうと思って、携帯を探してたらそのオッサンが消えてた。
胸糞悪い出来事だったし、またきたら今度こそ警察呼んでやろうと思って天窓を睨みながら待ってたら、いつのまにか朝になってた。
窓にはナメクジが這ったような跡が窓についてて全身に鳥肌がたった。
とりあえず仕事に行って、次見かけたら警察に言ってやろうと思って天窓をたまにチラチラ意識することがあったが、それいらいオッサンを見ることはなかった。
その日から1年くらい経って、アパートで来週から外壁の塗装をするってチラシが入ってて、そういえば天窓、ずっとテラテラしたまんまだったな、ついでに掃除してもらえないかな、なんて思いながら仕事に行った。
そっから普通に生活してたんだが、ある日帰宅するととその塗装会社?から手紙が入ってた。
内容が「窓に汚れがあったのですが、中心が削り取られたようにヘコんでいます。このままだと割れる恐れがあるのでガラス交換をオススメします。」と、意訳だがこんなことが書いてあって、気持ち悪すぎて吐いた。
あのオッサン、もしかしたら入ってこようとしてたのか?
何のために?
舐めてたのは窓を音もなくゆっくり溶かすためだったのか?
なんてこと考えてたら居心地が悪くなって、そこから引越しを決めるまで1回も家に帰れなくて会社で寝た。
こうやって書いてみると霊現象じゃなくてただのキチガイかもしれんなあ・・・。
ただ本当に怖くて、今でも天窓がある家にいくと、そのオッサンがニタニタしながら窓を舐めてるんじゃないかって、ゾっとする。