叔父は誰かを連れて行きたかった

カテゴリー「心霊・幽霊」

今から15年前になります。

8月の終わりに福島にいた叔父が亡くなりました。
父は即日福島に行き、その夜は母と2人で留守番をしていました。

まだ、残暑の厳しい夜で、私は1階の仏間でクーラーをかけ深夜ラジオを聞きながら寝ていました。

夜中の2時過ぎぐらいでしょうか。
寝ていた私は急に寒くなりクーラーを調整しなきゃと、目がさめました。
しかし、体は動かなくなり、いわゆる金縛りにあった状態。

つけっ放しだったラジオの音が急に不鮮明になり、うつ伏せのまま動くのは目だけでした。

不吉な予感がして、腕に鳥肌が立つのがわかりました。

そして、母の寝ている台所奥の方から、「ドン!ドン!」というまるで何かが飛び跳ねているような音が近づいてきたのです。

そして、私の寝ているすぐ横の引き戸の前でそれは止まり、今度はゆっくりと階段を上がっていく足音に変わったのです。

私は、ただ怖くて声もあげられず、足音を聞くことしかできませんでした。

恐らく2階に上がっていったそれの気配が消えた瞬間、金縛りが消え、どっとながれる汗をぬぐうひまもなく片っ端から電気をつけました。

不鮮明だったラジオは普通の状態になっており、私は明け方日が昇ってくるまでじっとしていました。

母が、朝6時過ぎに起きてきた時、私は夜中にあった出来事を早口で話していました。

母は音は何も聞こえなかったといっていましたが、台所の床がなぜか水浸しになっており、私が夜中に悪ふざけでもしたのかと思っていたと考えていたそうです。

<後日談>
まだこの話を、旅行から帰ってきた兄に話す前のことです。
兄が、今日不思議なことがあったと言うのです。
(上記のことから2日後)

電車に乗っていた兄がふいに肩を叩かれ、振り向くと誰もいない。
電車から降り、階段を下りていく途中でまた肩を叩かれ、振り向くとやはり誰もいない。
家に着く直前に、人気のない道でやはり同じように肩を叩かれ、・・・。

兄は元々幽霊や霊魂を信じないタイプでしたが、さすがに気味が悪くなり、走って帰ってきたと言うのです。

私は、兄に上記のことを話し、2人でぞっとしたことを覚えています。

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