質の悪い女子高生

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

心霊話じゃないけどイイかな。

あれは3年ほど前の12月22日だったな。
俺は長期出張で広島にいた。

夏からずっといて、出張最後の夜だった。

で、最後の日だってんで会社の連中が打ち上げなんかしてくれて、かなり酒飲んでイイ気分だった。

終わって一度宿泊先のマンスリーマンションに帰ったんだが、俺的に良い夜だったので、散歩を思い立ち広島城まで歩いてった。

城跡の夜景を堪能したあと、帰ろうと思い来た道を戻っていたんだが、とある団地のそばを通りかかった時、微かに声が聞こえてきた。

「・・・さん」
「おっさん」

声のするほうを見ると、街灯が作る木の陰あたりから声がするが何も見えない。
空耳か??と思い踵を返すと「無視すんなよ!」とはっきり聞こえた。
よーく見ると、件の木の陰に白い棒のような物が見える。

「俺のことか?」と問いかけると、棒が動いた。

棒と思ったのは、なんとルーズソックス。

出てきたのはガン黒の女子高生?が6人ほど出てきた。
なにせ紺のブレザーを着崩して顔も真っ黒。

白いものと言えば、ルーズソックスだけという出で立ちだった。
俺おっさんじゃないぞ!などと考えていると(当時28)、リーダーらしいのが「おっさん金貸してくれよ」と。

俺:「はあ?貸す金なぞ無い!」

女子高生:「うっせい!」

と一斉に得物を取り出した。

特殊警棒とナイフだ。

ナイフの刃を光らせながら、リーダーが「舐めてんのか!だせばいいんじゃ!」などと凄んで来る。

まずいと思ってたら、あることを思い出した。

出る時何気にコートの下に、電動ガンを吊っていたのだ。
ラッキーと思いながら、引っ張り出すなりミニスカからのびる太ももめがけて全自動で撃ちまくった。

距離も近かった(5m?)ので狙い通りに命中し、山姥軍団も不意を付かれたのか、事態が飲み込めないうちに足を押さえて倒れこんで行く。

さらに撃ちながら後退し、敷地から出たところで銃を仕舞って、部屋まで帰りついた。

翌日俺は何食わぬ顔をして広島を後にした。

それから、1週間ほどしたある日新聞を見てたら、白◯の地下歩道で殺人があった。
朝飯食いながら斜め読みしてたが、ある1文が目にとまった。

殺人の前状況として、現場で女子高校生同士(?)の喧嘩があってたらしい、というものだった。

もちろんそうではないと思うが、1週間前のことが思い出された。

まさかあいつらが?
それとも、あいつらの誰かが被害者となったのか?

その後おっかなくてその関連の記事は読まなくなった。
もしあの山姥共がやったのなら、俺のときの事を警戒していきなり襲ったかもしれない。

まずかったかな?

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