中学の時の先生の話。
家庭科の女の先生だった。
面倒見の良いおばちゃんなんだけど、ちょっと霊感があるらしい。
異動前の中学でテストの採点をしてたら23時になってしまったらしい。
残ってるのは自分ともう一人の先生だけ「忙しい様ですし、私が見回りに行きますね」と伝えて見回りに行ったらしい。
特に異変もなく最後に見る三階に上がったとき、廊下の突き当たりに小柄で華奢な男の子がこちらを見ていた。
見たときは特に何とも思わなかったらしい。
「あ、男の子だ」としか思わなかったらしい。
しかしよくよく考えれば可笑しい点が幾つもあった。
まず懐中電灯の届く範囲に男の子はいなかった事なのに、どうして見えたのか?
どうして男の子だと分かったのか?
男の子がこちらを見てるとなぜわかったのか?
なぜ男の子は蒼白く輪郭がぼやけているのか?
そもそもなぜうちの中学の制服ではないのか?
逃げるように職員室に戻り家に帰った。
その夜、金縛りになり学校で見た男の子が正座で先生の上に乗っていたらしい。
無表情で首を絞られて気を失ったという。