自分は本屋のバイトをしていて、いつもの帰り道に普段も通るのは車ぐらいで人はあまり通らないのだが、俺にとっては近道だったのでそこの道をいつも通っていた。
いつもはPM22時に閉めてそこから整理などをして遅くてもPM23時には帰路につけるのだが、その日は新人に全部やってもらいあれこれ覚えてもらい、世間話などをして、気づいたら24時前になっていた。
あせってタイムカードを押し終電ギリギリなので新人の人には先に帰ってもらい自分も帰ろうと店を出て自転車に乗り帰路についた。
自転車をこいでるといつもの人通りの無い道。
そこに女の人が立ってた。
こんな時間にこの道で人を見かけたのは初めてだ。
田舎って訳じゃないけど、その道は白線のみの狭い道で夜とかは車とすれちがうのは正直怖い、そんな道にその人はいわゆる棒立ちをしていた。
まあ全然通らない訳じゃないし、自分は頻繁にこの道を通ってると思えば別段おかしい話でも無い・・・と言うか、「どうしました?」なんて話しかける勇気なんて俺にあるはずが無い。
すれ違うと目があった。
色白で中々にかわいい・・・。
その女の人で色々な妄想をしていたら一人暮らしのアパートに着いた。
家に帰るといつもの行動を取る。
トイレに行き、手を洗い、水を飲みパソコンに電源を入れ、テレビをつける。
だがその日はテレビをつけると、「ピンポーン」と呼び鈴が鳴った。
ドア越しに覗いてみたら、さっきの女の人だ。
ちょっと興奮しながらも「はい」と言ってドアを開けてみた。
すると女の人は手から何かを落とした。
「なにか落ちましたよ。」としゃがんで拾うとそれは指だった。
作り物?と思って女の人を見上げると女の人の目がボコッと飛び出しドロリと落ちてきた。
「うわっ!」
家の中の方に尻餅をつくとその女の人は全身が崩れながらもしゃがれたような声で、指が所々千切れてる。
そして手を差し出して、「こっちに来て・・・」と。
そこで気を失ったんだろうか、気づいたらそこに女の人はいなかった。
現実だったのか、夢だったのか・・・。
意味は分からなかったが、そこの道は今は怖くて通って無い。