自分の中では虫の知らせと思える経験をひとつ。
ある日、自転車で移動してたときのこと。
丁度橋の中央に差し掛かったあたりで、突然胸のあたりを押さえつけられるような感覚が襲った。
呼吸もままならず自転車をこいでいられる状態じゃなくなり、その場で止まってしばらく悶えてた。
しかし、じっとしてても症状は治まらないし、これは拙いかもと一旦帰宅しようと自転車ごと反転させると、今まで感じていた圧迫感が嘘みたいに消えた。
今のは何だったのか?と首を捻りながら、もう身体に異常はないようだし帰らなくてもいいかと再度自転車を反転させてこぎ出した瞬間、再び凄まじい圧迫感。
今度はもう自転車を降りて欄干に寄りかかったのだが、ふと先ほどのように反対方向を向いてみると、やはりすうっと胸の違和感が引いていく。
ここらでもう何か確信めいたものがあったので、三たび橋の向こう側へ身体を向けてみると、やはり胸を押し付けてくる感覚が・・・。
特に用事があるわけでもなかったので、その日は大人しく引き返してそのまま家に帰ったよ。
これでその後橋が崩落したとか進んだ先で事件事故があったとか言うならわかりやすくていいんだが、ニュースでも翌日の新聞でも特に何も報道されておらず天下泰平だった模様。
あの橋の中央付近に何かしら気圧や磁場の異常、ないしは有毒な大気成分でも漂ってたのかもしれないが、歩道にこそ人はいなかったものの車道はガンガン車が走っていたし、おかしな雰囲気などはなかった。
けれど、あのまま進んでいたら恐らく相当ヤバイ状況に巻き込まれたんだろうという不思議な確信だけはある。
多分、多くの人が日常の中でこういった感覚を体験してるんじゃないかと思う。
しかし、自身の感覚に従って危険な選択肢を避けた結果がわかりやすい形(事件事故など)で示されるケースのほうが稀だから、その稀なケースに遭遇した人の話がピックアップされてるだけなんじゃないだろうか。