後味悪いかは微妙だが。
2000年、中米のグアテマラで日本人男性が現地住民に殺害されるという事件があった。
覚えている人も多いと思う。
観光でグアテマラの先住民の集落を訪れた男性が、現地の子供たちをカメラに収めていたところ、現地人の集団に取り囲まれ暴行を受けて殺害された。
当時、現地周辺では人身売買のために子供を誘拐するという犯罪が横行しており、住人たちも神経質になっていた。
子供たちにカメラを向ける見慣れぬ人物を、「外国人が子供を攫いに来た」と勘違いした住民によって引き起こされた事件だった。
その後、事件に関与した多数の住民が逮捕され、時の大統領は遺族や日本政府に謝罪した。
殺害された被害者は気の毒だが、あまりに浅慮で軽率だとも思うし、住民たちは子供らを守ろうとしたわけで、一方的に悪とも言えないと思う。
余談だが、人身売買組織の背後には養子ビジネスとでも呼ぶべきものが存在しており、誘拐された子供たちは子供を欲しがる家庭に養子として売却される。
売却先はアメリカが多いらしい。
ハリウッドのセレブなんかが外国人の子供を養子として受け入れて篤志家ぶったりしているが、その裏にはこういった現実もあることを考えると、複雑な気持ちになる。