親父から聞いた話を聞いてくれ。
親父は水力発電関係の仕事についており、数年前は山奥のダムの発電所にいたことがあった。
何年かに一回、いつもはダムに浸っている比較的大きいパイプの掃除(軽く腰曲げて入る大きさらしい)があるらしい。
親父は案内と確認のためについて行った。
話がそれるし、俺は信じていないが、そこにはマッチョの二の腕以上の太さ、少なくとも500mlペットどころじゃない大きさのウナギ(太すぎて寸ずまり)がごろごろ。
脂がのってさぞかしうまいだろうと、空きがあったリュックに詰めて作業員と持って帰って食ったらしいが、食えたもんじゃなかったらしい。
脂が多すぎて焼けば燃えるから一回蒸さないと危ないレベルで、骨がかたく、皮は焼いても生臭くパリパリにならずゴムのようとかw
脂っぽ過ぎて翌日お腹壊したらしい。
水をヒザ位まで抜いたトンネルに入って水面を照らすと、小魚が跳ねたり、ウナギが暴れたりとおもしろかったそうだが、真っ暗な中、前に懐中電灯を向けたら、何十mか向こうのトンネルの真ん中に影があった。
ゴミが何かに引っ掛かってるのなら、取らないとならない。
皆であれなんだ?確認するか、と言う事で、ずっと進んでいった。
しかし、近づいても近づいても距離が縮まらない。
皆であれって懐中電灯の濃淡(電球時代でLEDとかはなかった時代)じゃねーの?とか言ってると、「ぅおわーー!!」って一番前を歩いてた作業員が叫んだ。
皆ビビって何があったのか聞いてみると、巨大ウナギが凄い力で足払いかけてきたらしい。
大したこと無かったから皆安心して懐中電灯を前に向けた。
するとさっきの作業員が「をおわああああ!!!」って叫んで逃げだした。
それにつられ親父も他の作業員も逃げた。
トンネルから出て聞いてみると、人影?っぽい影が、5メートル位の所にあってビビったらしい。
でも仕事止めるわけにはいかないので、5m付近から懐中電灯照らして人なら服装とか顔の凹凸とか分る。
それ覚えてないんだから人じゃないですよ、ゴミだから取らないとだめですって説得してもう一度入った。
結局2回目は何も起こらず、点検確認して普通に終わったらしい。
そしてあれは懐中電灯のせいって事で丸く収まった。
関係ないだろうが、数日後、その作業員は渓流釣りしてて迷子になり、神に会ったらしいw
その神の話はまた今度詳しく語るとする。