小学生のとき、祖父と従兄弟と私で登山に行きました。
といっても標高はそこまで高くなく、登山というより散歩みたいな感じで、他の登山客もたくさんいて、祖父と従兄弟と話しながらすぐ頂上に着きました。
頂上で弁当を食べて、少し休憩した後、下山する前に簡易トイレに用を足しに行きました。
終わった後、何を気になったのか、トイレの裏側はどうなってるのかな?と見に行きました。
裏側は少しだけスペースがあって、鉄のサクがあり、その向こうは樹木だらけの急な斜面になっていました。
それで、その斜面全体に、信じられないぐらい大きな赤い布が被さっていたのです。
本気で縦・横1Kmぐらいあるんじゃないか?と思うほどの真っ赤な布。
何だあれ?としばらく見ていましたが、布は風にはためいているだけ。
その後、気になりながらも祖父と従兄弟の所へ戻り、今見た物を説明しました。
しかし、あまり本気にされず、天気もぐずついて来たので急いで下山しました。
下山後、駐車場に向かう時、麓に救急車と警察が大勢来ていました。
近くの木にはブルーシートが掛けられ、担架が用意され、誰が見ても死人が出たのは明らかでした。
2時間ほど前登る前には何もなかったので、その間に亡くなったようでした。
話はこれで終わりです。
亡くなったその人と、私が見た巨大な赤い布との関連性は分かりません。
ただ、あれは不吉なものだったのかな、とは今になって思います。
本当に、赤い色が斜面一帯を覆うほどでしたから・・・。