自分が小学生だったころの話。
当時自分が通っていた小学校には体育館の男子便所に「使用禁止」という張り紙がしてあった和式トイレがありました。
そのトイレの扉には木でかんぬき?のようなものがしてあり、かんぬきを外せば簡単に中に入ることができました。
またそのトイレは結構昔からあるようで、その小学校を卒業した中・高校生の人たちも知っていました。
そんな感じで、小学校の七不思議的なものの一つになっていたので、自分らがそのトイレを使ってみようということになり、まず友達のTがかんぬきを外し中に入りました。
そこで、すかさず自分らがかんぬきを扉にしてTを閉じ籠めて外に出たのです。
それから一時間ぐらい放置して「そろそろTを出すかw」というコトになり、Tの反応を楽しみにしながら男子便所に入ったのですが、中はシーンとしていて誰もいないような雰囲気でした。
嫌な予感がした自分らは急いで使用禁止のトイレの扉を開けました。
しかし中にTはいませんでした。
その男子便所には体育館に抜ける道もありましたので、Tはどうにかしてトイレから脱出して体育館に行ったのかと思い探してましたが、結局Tはおらず・・・。
「家に帰ったのかも」ということになり、Tの家に寄りましたが、家にもTはおらず、その日のうちに教師たちやPTAで探してみることになりました。
それでもどこに行ったのかわからず、とうとう警察が・・・。
それから数日後、自分らが閉じ込めたあの使用禁止のトイレからTが発見されたとの報告がありました。
自分らはTに謝りにいこうとしましたが、何故か大人たちは会わせてくれませんでした。
その後、Tは学校に来なくなり、夏休みが終わった頃には転校してしまいました。
理由は家庭の都合と聞かされました。
ただ中学に上がったころ知ったのですが、あそこの使用禁止トイレは昔いじめられていた子が自殺した場所だったらしく、その子はいつもひとりぼっちで寂しがっていたそうです。