ある老人福祉施設で働いている友人から聞いた話。
今年で85歳。
寝たきりで、ほとんど言葉も言えない認知症のばあちゃんがいた。
その人は何日か前から便が出ず、お腹も大きく張り出した。
で、臨時の医者が診たらどうも進行性の大腸癌らしかった。
そのため、1年に一回面会に来るか来ないかの家族に連絡し「一般病院に入って手術、抗がん剤で治療するか、このまま自然経過(その内亡くなる)を見守るか」と尋ねたところ、家族は「ぜひ治療してほしい」と答えた。
理由は「このばあさんが死んだら年金(遺族年金?)が止まってしまうから」ということだった。
聞くところによると、年金で現在の施設入所費を支払ってもまだオツリが毎月10万くらいあるらしく、その金は全てばあさんの家族が受け取っているとの話だそうだ。