昔、私が幼い頃に暮らしていたマンションは2DKの間取りだったのですが、片方の寝室にしていた部屋が真夏でも吐く息が白くなる通称”冷蔵庫”と言われる部屋がありました。
その部屋は霊感がちょっとある人は気味悪がって入らないというシロモノだった。
その日はたまたま祖母が遊びに来ていた晩でリビングに祖母と私を寝かせ、寝室で父と母が寝ていたようです。
すると母は寝ていたのにパッと目を覚ますと夜中の2時。
何か嫌だなぁと思っていたら突然の耳鳴り。
部屋が部屋だけに母も何事かと思っていると、キッチンと寝室を隔てているガラス戸に何やら影が映っている。
最初は祖母かと思ったのですが、ガラス戸いっぱいに埋まるほどの大きさの影で小柄な祖母ではないとすぐ分かりました。
そこから耳鳴りは止まらず母は嫌な汗が止まらなかったみたいです。
するとその影はガラス戸を開けて部屋に入ろうとしますが、ドアがガタガタ言うばかりでなかなか開きません。
その間母は全く声が出せなかったみたいですが、精一杯「お母さんー!助けてー!」と言っていたようです。
すると、ドアがすっと開いて祖母が入って来ました。
その瞬、間母の体も動くようになったみたいで身体を起こせるようになったみたいです。
母は祖母に「ドア何ともなかった?」と聞いたら祖母は「別に何ともないよ。スッと開いたよ」と言っていたそうです。
母が「ずっとお母さんー!助けてー!って呼んでたんだよ?聞こえたの?」と聞くと祖母は「いんや、声は何にも聞こえなかったけど、何かお前が呼んでる気がしたから気になって来たんだよ」と言っていたそうです。
親子のなせる技なのか、とか、意味不明な影もほんのりですが、一番怖いのはそんな大騒ぎでも全く気付かない零感鈍感父ですかね。
私はそっちのが怖かったですね。