私が繁華街に住んでいた頃、母と妹がわんこを連れて泊まりに来た。
私自身もわんこを飼っていて三人で夜の散歩に出掛けたのですが流石、繁華街。
どこに行っても人が多く、母のわんこは人慣れしてなかった為、人のいないちょっと広めの神社に行きました。
そこは本殿?とは別に稲荷もお祀りしている変わった神社。
母から「なるべくわんこをお稲荷さんの側に連れてっちゃダメだよ?お稲荷さん嫌がるからね」と私が注意されてる側で妹が犬を連れて大接近。
「ちょおまえwww」と思いながら妹を呼び戻しなるべく近づくな、と伝えた。
そして、しばらくすると母がしきりに「寒い、寒い」と言い出して季節的に夏から秋への季節の変わり目だったので、風邪かー?と思いながらとりあえず私の家に帰る事にした。
そこからがやばかった。
その日の気温はどちらかと言うと寒いというより湿気があり、暑いまでいかないと感じる日でしたが母の身体はガタガタ寒さに震えてました。
急いで暖房を入れ厚着にしましたが、一向に収まらずどうしたものかと俯く母の顔を覗き込んだら顔色が真っ白を通り越して土気色をしていました。
「お母さん、顔色すごいよ。大丈夫?病院行く?」と聞くと「大丈夫。多分そういうのじゃないから」と言って母は塩を持って風呂場に行きました。
私は心の中で「それ岩塩だけど効くんかなぁ?www」と思いつつ、でももし効かなかったらどうしよう・・・と心配してました。
何やらお清め?をしたみたいで一瞬顔色が良くなったのですが、寒さは無くならなかったみたいでまたすぐ土気色に戻ってしまいました。
いよいよやばいな、と思った私は何となく背中に何かある!と思い母の背中を叩き始めました。
強くではなくはたくように母の背中を叩いていると、徐々に母の顔色が良くなり母の身体から強張ったものが抜けていき寒さもなくなったようでした。
母に「何で叩いたの?」と後々聞かれましたが何となくとしか言えないと。
触らぬ神に祟りなしを身を以て知った出来事でした。
あの土気色の母を見た時はヒヤッとしました。