もう20年程前の自分の話。
クソ暑かったのを覚えてるので7~8月のことだったと思う。
私はパジャマというものを着て寝る習慣がなく、いつもハーフパンツにTシャツ。
その日もいつもの格好で起床して、夏休みだったのでダラダラとベッドで漫画読んでた。
しばらくして友達と昼から出かける用事があったのでハーフパンツとTシャツをベッドの上に脱ぎ捨てて着替え、出かけた。
数時間遊んで帰宅。
自室に戻り急いでクーラーをつけ、再びハーフパンツとTシャツに着替え、漫画を読もうとベッドに寝転んだ。
汗をかいたからか体がかゆい。
漫画を読みながらボリボリ胸のあたりをかきむった。が、すぐに違和感に気付く。
チクチクするのだ。
おっかしいなあ、なんて胸のあたりを見下ろした。
鮮やかな青のTシャツ。
あれ?
異変を感じてTシャツを脱いだ。
目の前でTシャツを広げると、5センチくらいの長さの真っ黒な太い髪が、胸まわりに集中して刺さってた。
けっこう大量に。
よく見ると一本一本きちんとTシャツの布に刺さってる。
付着してるんじゃなくて、刺さってんの。
私はその当時金髪に近いような頭で、間違いなく自分の髪じゃない。
が、家族の誰の髪でもない。
母はセミロングの茶髪、父はうすらハゲで残念なくらい細い髪、兄は黒髪超ロング、遺伝で同じく細い髪。
なんか、ぞっとした。
ベッドの上に視線落として気付いたけど、ベッドには一本もその髪落ちてないの。
仮にさ、家族の誰かが私の部屋でわざわざ私のTシャツ着て髪切ったとしても、普通Tシャツに刺さらないよね?
怖くなってまだ出かけた。
友達にあったこと話したら見たいっていうからそのTシャツ見せた。
めっさ怖がってた。
だから私の見間違いじゃない。
今でもこれが何だったのか、謎のままです。