思念がずっと残っていた

カテゴリー「心霊・幽霊」

30年くらい前の話。

うちの向かいに腰の曲がった婆ちゃんとボケた爺ちゃんとその息子の3人が暮らしていた。
爺ちゃんは滅多に見かけなかったんだけど、婆ちゃんはよく庭の掃除していたり、すぐ近くの公園に勝手に花植えて世話してたりして、毎日の様に挨拶してた。

当時俺は5才くらい。
ある日、母親から「お婆ちゃんが入院した」と聞いた。

実際その後数日、お婆ちゃんを見かけなくなって寂しいよなあと友達と話をしているところで夏休み突入。
俺は毎年夏休みになると初日に父方の実家に一人でいかされてお盆になって両親が帰ってきて合流して家に帰っていた。

で、その時も普通に田舎に帰ろうとしてたんだが、朝準備してたら、いつも通り庭先を掃く音が聞こえたので窓から除くと婆ちゃんが掃除をしていた。

「ばーちゃん!退院したの?」と窓から聞くと、婆ちゃんはこっちを向いてうんうんと頷いた。

急いで降りていき、母親に報告して向かいの家にいき、婆ちゃんのためにつくった折り紙を渡して「またお盆終わったら帰ってくるから!」と報告すると、頭をなでてくれた。

母親も「お元気そうでよかったです^^」とか普通に話をして、その後田舎に向かった。

しばらくして、お盆になって両親が田舎にきたんだが、その時母親が「ねぇ。あの時、夏休みの初日にお向かいのお婆ちゃんにあったわよねぇ?」と確認をしたので「うん。折り紙を渡した」といったら、父が「だから、それはお前らの勘違いだと言ってるだろ」と叱りつけた。

あの日、夏休みの初日。

俺を空港まで送って家に帰ると、お向かいの家がバタバタしていたので母が顔を出したら息子さんが「今朝母が亡くなって・・・」と言っていた。

数日前に入院した時点で既に意識が無く、その日の早朝意識が戻らないまま亡くなったらしい。

あの日みた婆ちゃんは一体何だったんだろうなあ。
一人だと「子どもの勘違い」で済まされるかもしれんが、母親も見てるんだよな。

でも、オバケとかそいう感じじゃなく、普通に掃除してたし折り紙も受け取ったし会話もしてたし・・謎だわ。

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