子供の頃(多分4~5歳だったと思う)に体験した話。
当時俺は探検ごっこ@自宅にはまってた。
オカンのいるリビング以外の電気を全部消して、懐中電灯片手に家の中を探検するっていうまぁアホみたいな遊びなんだけど、見知った家が電気消えるだけで雰囲気変わって、ちょっとしたスリルが味わえるのが楽しかったのを覚えてる。
その日もテレビ見てるオカン尻目に探検家になりきって家の中を徘徊してて、洗面所に入ってみることにした。
テンション上がりつつ懐中電灯でいろいろ見てたんだけど、ふと思い立って、懐中電灯を消してみた。
うちの洗面所はドア閉めて電気消すと完全な真っ暗闇になるんだよ。
で、俺はその暗闇をちょっとビビりつつも楽しんでたんだ。
しばらくキョロキョロ(真っ暗だけど)してて、ふと前を見ると、目の前に顔があった。
正確には顔じゃなく、目と口が暗闇に浮いてたんだ。
最初は自分かなとも思ったんだけど、明らかに違う。
そこだけ光ってるみたいに目と口がくっきり見える。
そいつはうっすら口角を上げて微笑みながら、目玉をいろんな方向にグルグル動かしてた。
俺は金縛りにあったみたいにそいつから目が離せなくて、ただそいつの動きを見つめてたんだけど、それまでキョロキョロしてたそいつが周りを見るのをやめて、ゆっくりと目玉を動かして俺のことを見た。
そして、ニィっと笑ったんだ。
その瞬間、弾けるように洗面所から飛び出して、オカンに飛びついた。
オカン曰く、今まで見たこともないものすごい形相だったらしいw
落ち着いてからオカンと洗面所に行って同じように電気消してドア閉めたけど、やっぱり真っ暗闇だった。
これだけの何てことない話だけど、あの目と口だけは今でも忘れられない。