私が友人に聞いた話です。
「俺さ、2年位前にテレビ局でバイトしてたじゃん。その時さ、ある撮影に同行させてもらったのよ。といっても、俺仕事はただの機材運びなんだけどさ。」
「で、その時の企画なんだけど、S県にある有名な自殺の名所に行こうって奴でさ。その企画に出るのは、ほら今でもたまにバラエティーとかに出るOってアイドルと、後はなんとかって言うオッサンの霊能者だった。そんで、当日現場に行ってみると、妙に空気が重いのよ。」
「俺は幽霊とか全く信じてなかったけど、このときは変な胸騒ぎに襲われてね、それはその場にいた全てのスタッフもそうみたいだった。しかし、撮影はしなけりゃいけないから、車からそのアイドルと霊能者を出してね、撮影を始めたわけよ。」
「でもさ、撮影初めて5分もしないうちに、遠目からわかるほどにアイドルの顔色が悪くなってね、こりゃやばいんじゃないかなと思ってたら、いきなりそのアイドルが木、そうただの木を指差して、『あ、あ、あいつと目があったぁぁぁ!!!』と絶叫するなり、白目をむいて気絶しちまった。」
「すると霊能者も、アイドルが見ていたほうに目を向けるなり『冗談じゃない!!』と叫ぶと、来た道を走って戻っていった。」
「こんな状況じゃカメラ回せないし、スタッフたちも気分が悪くなる奴が大勢いたから、その日はそれで撤収した。そんで、結局それからその場に撮影に行くことは二度となかったよ」