犯人の供述

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

高校の頃の話。
僕の家の隣には低い塀を挟んで郵便局がある。
その郵便局は典型的な田舎の郵便局で地域の人が利用する小さな郵便局だ。
僕の部屋は玄関の横にありその部屋からは庭を挟んで郵便局がみえる。

それが起こった時期は七月でちょうど高校ではテスト期間のときだった。
僕の高校はテスト期間とその前は部活をしてはいけないというルールがあり、その日は僕は自分の部屋で勉強をしていた。

僕が前日テストの勉強をしているとすりガラスの向こうに黒い人影が見えた。
最初に見たときは「お客さんかな?」と思った。
しかし、その人影はチャイムを鳴らさずにさって行ってしまった。

そして、それから30分くらいたったときまたその人影は現れた。
今回は、すぐには去らずに庭を行ったり来たり、何か迷っている様子だった。
僕は、窓を開けてその人影に声をかけようとおもった。
でも、テスト勉強が忙しかったのとめんどくさいのがあいまり声をかけずにいた。

「用事があればチャイムを鳴らすだろう。その時に出ればいいや。」

そう思っていたのだが、人影はうちの庭と郵便局の間をふらふらしていてなかなかチャイムを鳴らさない。
それにイライラした僕は「まったく」とつぶやいた。
僕は勉強机から立って窓の方へ向かう。
すると、人影はふぅーっと郵便局の方に消えてしまった。

「何なんだよ」と僕はぼやきながら机に戻り椅子に座ったその瞬間・・・郵便局から叫び声と警報の音が聞こえてきた。

驚いた僕は、窓を開けてみると郵便局から黒い人影が走り去るのとパニックになった数人の人が飛び出してくるのが見えた。
僕が郵便局に向かうと血を流している人も何人かいた。
僕がおろおろしているとすぐに救急車と警察が来た。
話によるとどうやら強盗が入ったらしい。
私はあの黒い人影が犯人だと思った。

それから事情聴取とかでまったく勉強ができなかった。

後日談だが、捕まった犯人の供述によると僕の家と郵便局と迷った末に郵便局に強盗に入ったらしい。

もしうちに来てたと思うと今でもゾッとする。

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