家の近所に、一人暮らししていたおじいさんの話。
息子夫婦と折り合いが悪かったそうで、若夫婦が家を出いきました。
それからおじいさんは一人淋しく大きな家に住んでいました。
私はその頃、小学生で塾に通っていていつもその家の前を夕方7時頃通っていました。
その日もいつものようにその家を通ると、ニヤニヤ笑ったおじいさんが
何も言う訳でもなく道の隅に立って私を見ていました。
幼いながらも、「このおじいちゃん怖い、普通じゃない」と
感じた私は走って家に帰りました。
家で母にその話をすると、
「あのおじいちゃん可哀想に、一人になったら淋しくなっちゃったのかもね。
◯◯さん(近所のおばさん)のお家に、夜になると玄関のドアをドンドン叩いて、
何か言ってるらしいの。塾は今度から迎えに行くね」
そう言われました。
その次の日です。
おじいちゃんが首を吊っているのが発見されたのは。
その日も暑い夏でした。
車庫の中で亡くなっていたそうです。
状態から死後10日は経っているだろうと大人達が話しているのを聞きました。
では、私が見たおじいちゃんは・・
近所のおばさんの玄関を叩くおじいさんは一体・・・。
それから母はその事には触れませんでしたが、
私の「色んな物が見えるから夜は電気を点けて寝て良い?」とゆう願いを
すんなり聞いてくれるようになりました。