おめめをくりぬいて

カテゴリー「心霊・幽霊」

俺が18になって初めて東京に来たときのこと。
まあ小さいソフトハウスにとりあえず入社できて、そこの寮に入ると聞いていたので行ってみたら、一軒家だった。
どうやら普通の一軒家を会社が借りてて、そこに俺が入ることになっていたらしい。
布団くらいしか荷物もないので、引越しもすぐに終わって、東京に住んでるいとこのおばはんに無事着いたよと電話したら、明日ご飯作ってもってきてくれるといっていた。

そこには3歳と2歳の女の子がいて、そんなに遠くないから一緒に連れてくるという。

そんで次の日、おばはんと2人の子らは元気に手をつないで最寄の駅にきた。
で、俺も迎えにいった。
で、とりあえずおばはんといろいろ田舎の話とかをしながら歩いてきたが、うちが近づくにつれ、下の子がぐずり始めた。

おばはんは無論慣れてるからなだめようとだっこしたがいつになく治まらないらしい。
で、上の子が俺の手を掴んでで、「おうちがこわいって」っていうんだな。

「へ?なんだ?」

俺があっけにとられていってるうちに、その家の前に着いたら下の子はついに泣き出した。
しかもセリフが、「あかいよーおかおー」とか言ってる。

で、その家の門を俺と上の子がくぐった瞬間、上の子が「この家に血でてる人いる」って叫んだ。
なんか言葉もろくにしらない子供が嘘なんかつくわけないから躊躇してたら、隣の結構裕福そうなおばさんが出てきて「あら、この家に住む方?」って哀れそうに(今になってみればそう思う)俺に言った。

で、どうやら下の子が泣き疲れてうとうとし始めたので、とりあえず入ろうということになった

入るとすぐに階段があるんだが、(この階段は、上に逝くにしたがって左に曲がっていく階段)今度は上の子が、階段の先を見て、「この上って人がいっぱいいるね。でもみんな血が出てる」とか言うんだよ。

実は俺は、一応昨日自分の住む家だからと一通り家の中を探索したんだが、2階は特に荒れ放題だったし、押入れとかもだらしなくなってて、廃墟みたいだった。

とにかく2階じゃなく、生活拠点は1階にした法がいいと思ったので、一階の部屋に案内した。

したら、パッとおばはんの肩の上で寝てた下の子が「ぎゃーこあいよーこあいよー」って起きて騒ぎ出した。

上の子はぎゅっと俺の手を握って「ここいやだよそといこうよう」って半べそ書いてた。

どうしょうもないから、外に出て近くの公園にいって、おばはんの作ってくれたおじぎりを食べながら上の子供に「なにがいたのあの家」と聞いてみた。

答えは「かまもったおばちゃんが、男の人のおめめをくりぬいててしろいふく着たおねえちゃんが」といそこまで聞いたら、下の子が「こあいからおはなししないで」って言われた。
なんとなく、そのときの下の子の目が、子供の目じゃないような気がした。

結局俺はそこに2年住んだが、何も出てきやしなかった・・・。
無論怖いから、3ヶ月程してから、田舎から出てきた同級生の女と一緒に住んだ。

しかし、2階からたまにミシミシと人が歩いてる音は聞こえたし、間違いなくここにはなんか居るとは思った。

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