あれは悪魔だ

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

「私、手が三本あるの」とマジメに言われたことがあります。

初めて付き合った彼女だったので浮かれていたのもありますけど、思いっきり恋愛感情も常識も吹き飛びました。
もちろん目に見える手はありませんでした。

ただ、それだけなら『頭の変な子』で終わるのですが、親も話が合っているのです。
それでもまだ「ああ、本人を混乱させないためかな」と、思えたのに、その母親が、「私も慣れるまでは大変で、その後、あんたに受け継がせるまで大変だったわよ」と彼女に話をふり、それを笑いながら聞いている彼女を見てたら怖くなりました。

極めつけが「私も次の世代に受け継がないとね」と微笑んだときは、可愛いはずの彼女の顔が気持ち悪く見えたほどです。
さすがに生理的にも気分が悪くなったので、数日後やんわりと断って別れました。

中学を卒業するまで無言電話をかけられたけど、ある日、「しかたがないから他の男を探すことにするわ」の電話があって、その後はもう今に至るまで何もありません。

ただの電波女と言えばそれで終わりなのですが、「他に男を見つけたから」が安全となった今になるとちょっと気になりますw
かわいいし、確かに身体に触っても怒るどころか笑うようなタイプだったので、男には困らないでしょうし。

今でもときどき思い出すなあ。
あれは悪魔だ。

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