一人暮らしをしていた時の話。
俺の部屋は湿気がひどく、よく壁がカビたりして、霊感のある友人曰く”霊が居やすい部屋”らしかった。
それまでにも色々と変な出来事はたくさんあったが、ある日寝ていると、いつものように金縛りに遭った。
金縛り自体は珍しくなかったのでいつか解けるだろうと放っておいたのだが、その日はなかなか解けず、格闘していると枕元の部屋の窓がゆっくりカラカラ・・・と開いた。
一気に鼓動が早くなった。
そいつは窓を開けると部屋に入ってきて俺の布団の前を何度も往復し、部屋にフローリングを歩く音が『ペタ・・・ペタと・・・』と響いていた。
布団も顔が覆いかぶさるようにかぶっていたし、そのまま寝てるふりをしようと思い、ぎゅっと目をつぶっていた。
ふと足音が止み、”もう出ていってくれたのか?”と気を抜いたとたん金縛りが解けた。
ホッとして目を開いたとき、俺の布団の中には目をカッと見開いた女がこちらをジッと見ていた・・・。
次に目を開いた時には気絶したのか、朝になっていた。
夢だったとしてもリアルすぎるし、女の顔も今でもはっきりと覚えている。
今の彼女にそっくりだった。
嫉妬深いっていうか、生霊を飛ばしちゃったんだろうね。