イヤラシイ悪霊

カテゴリー「心霊・幽霊」

この間の体験。
きっかけが物凄く恥ずかしい話なんだけれど、引かないで読んでもらえると嬉しい・・・。

一人暮らし初心者でバイトもせず恋人もいない自分は、この初の長期休みで寂しくて寂しくて人恋しくなっていた。
それでとある夜、トチ狂ってエアラブラブごっこをしていた。
丸めた布団をどうしても忘れられない好きな人に見立てて、「ずっと一緒v」とか話しかけたり抱きついたりしていた。
思い出すと、とても恥ずかしい・・・。

完璧にその気になって迫真の演技(?)をし終わり、満足感と虚しさを感じながら寝た。

寝て四時間たった深夜三時頃、悪夢で目が覚めた。
多分不安な精神面が出たようで、噴火で逃げ惑うよくある夢だった。
悪夢で起きると中々寝付けない。
ベッドの上で寝れるよう奮闘していると、冷蔵庫や雑音に交じって変な音が聞こえることに気が付いた。
寝息の音だった。

スーースーースーー・・・。

男の人らしい強めの寝息。
最初は冷蔵庫の音だと思ったが、今までこんな音が聞こえたことはない。
それでもきっと温水器か何かが暑くておかしくなったんと思って、寝ることに集中して寝た。

朝、もうあの音はせず、あまり考えないようにした。
天気も良く久しぶりに気分が良かったので、都心に出かけることにした。
化粧をし服を着替えたところで、何故か急に体が重くなった。
全身が凝ったようになり、吐き気と頭痛がしてきて、立っていられず横になった。
今までこんなことは無く、対処のしようも無く、その日は一日中寝ているしかなかった。

具合が悪かったがそれでも何とかして風呂に入ったら、換気扇の音に交じり「ハァハァ」という息遣いが聞こえてきた。
雑音か何かだと思いたかったが、息使いにしか聞こえない・・・。
恐ろしくてすぐにシャワーを済ませ、明かりを消して布団を被った。

暫くたって、またあの寝息が聞こえ始めた。
音はすぐ近くから聞こえた。
でも恐ろしさと具合の悪さから、どうすることもできず何とか寝た。

次の日の朝、具合が悪いのは治っていた。
またなったら怖いので痛み止めか何かを買いに行こうと思い、準備をし着替えをし始めたら、また昨日の具合の悪さに襲われた。
結局その日も家にいることになってしまった。

午後、横向きに寝転んでいたら、「えへへえええへえ」という感じの男性の笑い声が頭のすぐ後ろから聞こえた。

部屋の両サイドは女性。
今の時間はどちらもバイトらしく誰もいない。
テレビもつけていない。
部屋には自分しかいない・・・。

きっと具合の悪さからくる幻聴だと思うとしたが、怖くて振り向けない。

固まったままでいたら、また変な笑いと共に、変な抑揚で「一緒にいいてああげるよぉ」と頭の後ろから囁かれた。

「ハァハァ」という息遣いも聞こえ、耳に風がかかった。

『寝息も変な息遣いもこいつだ!』と、気持ち悪さと理不尽さに腹が立ち、でも怖いので横を向いたまま、「ふざけんじゃねーよ!あれはお前になんか言ってねーよ!出てけよおおおおおおお!」と喚きながら、幽霊に効く?と以前に聞いた拍手を思い切り打ち鳴らした。
恐ろしさを打ち消すように狂ったように手を叩くと、次第に息遣いが聞こえなくなった。

すると、具合の悪さが急に薄らいでいき、さっきまでの具合の悪さが嘘のようになくなって軽くなった。
思い切って後ろを向いたら、当然何もいない。
それ以来、寝息も何も聞こえず、具合も悪くなくなった。

馬鹿みたいで嘘みたいな話だけど、最近あった本当の体験。
本当に怖かった。
きっかけがきっかけだから友達にも言えない。
エアラブラブごっこはもうしないと心に決めた。

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