怖くなかったらごめん。
霊感とか心霊とか一切信じない父親がボソッと教えてくれた話。
それでもいまだに怪談だのは信じてないけどね。
父親には生みの親と育ての親が別にいた。
ようは離婚して父親の父親が再婚した。
生みの親の記憶はほとんどないし、育ての親はあんまり構ってくれた記憶がなかった。
そんな育ての親が心臓の病気(たしか糖尿病関係)で入院して間もない頃だった。
生みの親が亡くなったという電話が掛かってきた。
父親は葬式に行くか悩んだ。
かなり遠いし、あまり覚えてないし、離れてから一度も会っていなかったから。
それでも・・・と母親が説得して出向いたときのこと。
ご焼香のとき、頭を上げた瞬間、右の視界の端に生みの親が立ってた。
「あ・・・」っと思ったらいなくなっていた。
そのときになんとなくだけど、昔の記憶がじんわりと思い出したそうだ。(母親いわくちょっと泣いてた)
その夜、夢に生みの親が出てきた。
おぼろげにある昔の記憶の姿で父親の父親と一緒だった。
だけど自分は今の年齢。
生みの親はほんのり微笑んで「しばらくは二人でゆっくりさせてもらうわ」っていってすぐに目が覚めたらしい。
成仏できたのかーってちょっと安心したんだってさ。
ちなみにコレを聞いたのは父親の育ての親のお通夜。
育ての親は入退院と手術、透析やらを繰り返してたし、今夜が峠って電話を年に3回は聞いた。
それが5年以上は続いたのかな?死にきれないし、生ききれないような状態がやっと終わった。
それをあのタイミングで話してくれたってのは、つまりそういうことだったのかなって今になって気付いたよ。