某中華チェーン店にて

カテゴリー「心霊・幽霊」

その昔、京都にいた頃の話。
貧乏学生の僕は某中華チェーン店でバイトしていました(タダ飯食えるので)。
社員もバイトもみんな仲が良く、とても楽しい職場でした。

ちなみにそこの更衣室は誰かが買ってきた漫画や週刊誌、テレビ、ゲーム機、コタツ&麻雀・・・じつに居心地の良い「たまり場」になってました。

そんな環境だったので、しょっちゅう徹夜で麻雀とかしてました。
そのときのお話です。

その1【有線】
消灯して静まり返った広い店内。
その一角にある更衣室だけがジャラジャラ騒がしい空間。

そんな状況で僕たちが麻雀やってると必ず起きる現象があるんです。
深夜1:30~2:30の間に突然、有線が流れるんです。

ちなみに有線の機械は頭上の棚の上にあって、スイッチもガチンっガチンっていう重いバネが効いてるタイプなので、勝手に入ることは考えられないものでした。

いつも夜中に勝手にスイッチ入るってことは朝の人が出勤した時も有線入ってたりするんだろうな~と思い早番の人に聞いてみると、有線が入ってたことなんて一度もない
と言ってました。

つまり、僕らが夜中に麻雀しているときにだけ起きているわけです。
最初の頃は驚いてましたが毎度の事なので慣れました。
じゃんけんに負けてスイッチを切りにいくときは誰かに見られているような気がしてちょっと気持ち悪かったですけど。

その2【音】
いつものようにみんなでマージャン中のこと。

シッ!!
人差し指を口にあててみんなに黙るよう指示しました。

・・・誰かこっちくる!?

ズリズリズリ。

引きずるような足音が、店内から聞こえます。

最初は「なんも聞こえへんやん?」と言ってた連中がやがて真剣な顔つきになります。
更衣室まであと2~3Mくらいか。
もう誰の耳にもはっきり聞こえています。

その足音は更衣室に向かって歩いてきてるのです。

ズリズリズリ・・・。

ピリピリとした緊張感が部屋を包みます。

足音は確実にこちらに近づいてくる。
それぞれ顔を見合わせるが誰も言葉を出せません。
そして足音は更衣室のドアの前に来ました。

(ドアのすぐ向こうに・・・ナニかがいる!!!)

誰や!!
ドアを勢いよく開けた。

内心、強盗の可能性も考えていたため身構えていましたがドアを開けたら誰もいませんでした。

少しホッとしたものの問題がありました。

「泥棒やったらまずいな」

というわけで全員で見回ることに。

「まずは鍵みよか。端から全部確認していこう」

出入り口、座敷席の窓・・・順番に施錠確認していたときです。

バタン!!!

店内は静まり返っていたため、とても大きな音として響きました。
店の一番奥、客用のトイレのほうから勢いよく扉がしまる音がしました。

僕らのいる場所からは見えない角度でしたが音源はトイレで間違いありません。
みんなの視線が音のした方へ集中します。

僕らは顔を見合わせて、目だけで会話しました。

・・・(行くか?)
コクリ(行くしかないやろ)

全員、表情は真剣。

そして僕らは奥のトイレ前まで来ました。

霊か?
泥棒か?

強盗の場合は最悪怪我人が出るかもしれない。
張り詰めた空気でした。

まず男子トイレからいくぞ。

ドアを開ける役、武器を構える役、自然に連携がとれていました。
まるで特殊部隊です。

突入のサインを目でおくる。

ガチャ!
勢いよくトイレのドアを開くと誰もいません。
でもまだ個室があります。

2人で男子トイレの中に入り1つ目の個室を開けて確認したとき僕は強烈に気配を感じました。

あぁ、泥棒ちゃうわ。
個室の中にもおらんわ。

だって・・・すぐ背後から、後頭部の真後ろから、耳に息がかかるほどの距離に発狂しそうなほど気配がしてる!

そばに友人がいるから心強いはずなのだが怖くて振り向けない・・・・・・。

そしてその気配に気づかないフリをしながら2つ目のドアを開けた瞬間!

ブオーーーーーッ

手を乾かすアレです。
そばに誰もいないのに起動しました。

どわーぃ!!!

びっくりしてまぬけな声をだしてしまいました。

でまぁ結局、泥棒はいませんでした。

ヤバイ事にならなくて少しほっとしたのは確かですが、別の恐怖が頭に張り付いていました。

「さっきの気配はきつかったなぁ~」と僕らは個室とトイレ出入り口のドアを全部閉め、もう一度店内の残りの施錠確認をしていました。

が、そのとき「バタン!!!!」と、再びトイレのドアが大きな音をたてました。

ドアは全部しめた。
窓も全部閉まってるし当然店内に風なんてまったくない。

もうみんな無言で納得していました。
「いつものヤツの激しいバージョンやね」と。

その後、更衣室に戻った僕らは再び麻雀を開始して朝まで遊びました。

まぁこのほかにも、女の声で後ろから「ねぇ」と呼ばれて、肩をトントンと叩かれて誰もいなかったりとか、更衣室のドアの向こう側から話声が聞こえたけど誰もいなかったとか、もう話は尽きないほどです。

「幽霊なんてぜってーいない!」と言ってる連中もここで麻雀をしたら、幽霊なんてありえん、何か原因があるはず→いるのかもね→絶対いるよね・・・と変化してくのが面白かったです。

当然自分もあらゆる可能性を考えてみた結果「ありえない事がおきている」と認識して幽霊としかもう考えられなくなってしまったんですけどね。

なんやかんやありましたが、ここのバイトも楽しい思い出だったりします。

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