中学の時、毎日部活で遅くなると、よく隣の家の兄ちゃんが同じ時間にバイクで帰宅してきたんだ。
CB400の何かだったかな。
ブロ~ン!と兄ちゃんの家の駐車スペースに入り、帰った時のセリフが「はぁ、今日も生きて帰ってこれたぁ」と。
毎日バイクで大学から家を通学してるみたいだけど、電車で行くと時間がかかるからバイク通学をしているんだそうな。
あんまりバイクは好きじゃないみたいだけど、友達から安くもらったからそのバイクに乗ってるらしい。
まぁ、毎日ヒヤヒヤしながら通学してるんでしょう。
そんなセリフを数十回と聞いてるウチについに、あの日がやってきました。
その日も部活で夕方7時ちょっと前に家に着いた所、いつものように兄ちゃんを発見。
ただ、いつものエンジン音が聞こえない、静かな入庫でした。
エンジンを切ってすぃ~っと駐車スペースに止めたんだなぁ。
んで、いつものセリフ・・・。
「はぁ、今日は生きて帰れなかった・・・」
ん?いつもと違うぞ?
振り向くと、駐車スペースにいつものバイクは止まっていませんでした。
確かにさっき帰ってきたよなぁ?
単なる空耳かと思ったけど、何かの見間違えかとも思い、深く考えず夕飯食べ、翌日学校へ。
部活の顧問が熱出して今日は部活が休みになったんで早く家に帰ったら、親が何だかいつもと違う雰囲気だった。
話を聞いたら、隣の大学の兄ちゃん、飲酒運転のトラックに後ろから追突されてそのまま亡くなったそうな。
夕方6時頃の事故だったらしいので、やはりいつもの時間、いつものペースで、魂?幽霊?になってもバイクで帰ってきたみたいです。
それから1週間はあの時のいつもと違うセリフが頭から離れず、夜も深く眠れませんでした・・・。