裏の草薮には行くな

心霊体験をしたことがなく「うちって霊感ないのかな」と母に聞いてみた。
すると以外な返事が。
母が「あなたが大人になったら話すつもりだったんだけど・・」と。

以下、母の話と私の記憶。

私が2歳の時、母と姉(4歳)で田舎の祖母の家に里帰りした。
祖父は昔に亡くなっている。

大きな古い民家で、裏手は小道一本挟んで草薮の手前に大きな木が一本はえていた。

ある晩、祖母の弟が遊びに来て、私たちは縁側に面した座敷、そのおじさんは家の一番奥の座敷で寝たんだけど、真夜中過ぎに、突然おじさんが奥の座敷から物凄い勢いでわめきながら走り出てきて、ガラッと縁側の襖を開けて、庭で叫びだした。

おじさん:「行かなきゃ・・・!!・・・止めないでくれ・・・行かなきゃ・・・」

最後の方はへたり込んでつぶやき声でエンドレス。

もちろん、祖母と母は吃驚仰天で発狂したのか?という恐怖にとらわれつつもなんとかおじさんを家から出ないようになだめて、縁側にひっぱり上げた。

おじさんはまだ茫然自失のまま。

私と姉は泣き出すし、母は「あれほどびっくりした事はなかった」と。

そうこうしているうちに、村の半鐘がいきなり鳴り出した。

「カーン!カーン!」

夜中なのに?今度は何事?火事?

あたりが騒がしくなり始め、村の人たちがやってきて、「○○さんちの△さんがいないので探している、知らないか」とたずねる。
もちろん知らないし、おじさんは気を失うように寝たので、そのまま朝を迎えた。

そして、知ったのは、その△さんが真夜中に、祖母の家の真裏の木で首吊りをして亡くなっていたとのこと。
おじさんが寝てた位置からは、壁と塀と小道があるけど5メートルくらい。

母は恐怖のあまり、奥の座敷には行かなくなった。

確かに私の記憶では祖母の奥座敷は物置になっていました。
あと、裏の草薮には行くな、と言われていました。

子供が祖母の家に行かないと言い出すと困ると思って、ずっと言わなかったらしい。
おじさんはその時の記憶は一切ないようです。
祖母もおじさんも亡くなりましたが、変な噂もなく優しかったです。

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