あれは10年くらい前の暑い夏の日でした。
俺は仕事で車を運転してて、それまで順調に流れていたのに、急に渋滞しはじめた。
「くそー、なんだよ・・・」
渋滞してるけど、ゆっくり進んでる、そんな状態。
どうも前のほうでトラックが事故したらしい。
ゆっくりゆっくり進んで、その事故ったトラックが見えてきた。
自転車が倒れてる、トラックと自転車がぶつかったんだな・・・。
でも倒れてる人も見えなくて、もう病院に行ったのかな?それとも大した事なかったのかな
って思ってたんだ。
そのトラックの横を通り過ぎるときに、ふと目に入ったんだ。
割れてるスイカが。
「また派手にぶちまけたなぁ・・・」
道路が割れたスイカの中身で赤くなってる。
事故った衝撃で、運んでいたスイカが落ちて割れたのかな?もったいないなぁって思ってて、トラックを行き過ぎたら渋滞も解消して目的地に無事についた。
次の日、新聞に、事故のことがのっていた。
自転車に乗っていた人は即死。
俺は目が悪くて、遠くのものがよく見えないんだ。
でもそれがよかったんだな。
もし見えてたらと思ったら、ほんとゾっとした。
俺がスイカと思ってたのは、割れた頭だったんだ・・・。
ほんとまともに見てたらトラウマになってやだろうな。
なんて今でも思い出します。