なんで分かった

カテゴリー「心霊・幽霊」

大学4年の5月の話。

教員免許取得のため母校の中学校に教育実習に行った。
17年前の話なんでうろ覚えのところもありますがご勘弁を。

実習生は男2女5くらいの人数で無事に2週間の実習を終了。
最終日に打ち上げと称し若手の本当の先生3人くらいと居酒屋に行った。
もちろん田舎なので先生達の車2台くらいに分乗。俺は体育の男の先生の車に乗らされた。
居酒屋での飲み会も終わり(その際に運転手が飲んでいたかは不明)、近くの心霊スポットに行こうとなった。
そこは現在使われている大きなトンネルの上にある小さな旧道のトンネル(宮○勤のトンネルではありません)。

クネクネな道を30分くらい登って行った。
途中で助手席に乗った女の子が酒のせいか、車酔いか、具合悪くなり、シートベルトしたままダッシュボードに伏せてしまった。
トンネルに着きくじ引きでペアを決め二人ずつでトンネルの反対に行きみんな合流して帰ってこようとなった。
俺は運良くか運悪くか、具合の悪くなった女の子とペアになってしまい、「じゃあ、○○はこの子の様子見といて。」と車に残された。

車に二人っきりだが、何を話す訳でもない。
ずっとダッシュボードに伏せたまま。
寝ているのか起きているかも分からない。
実習中は明るいおバカキャラで待機室を盛り上げていた子だった。

そうこうしているうちにトンネルの向こうからみんなが帰って来た。
何もなかったようだ。
車に再度分乗しカラオケに行こうとなった。

またクネクネ道を降りて行く。
女の子は伏せたまま。
途中で運転している体育の先生が自身が大学生のときの怖い話をした。

どんな話か途中忘れてしまったが、友達と踏み切り待ちをしていたときにその友達には霊感があるらしく踏み切りの反対側の男を指し、「あの男はこの世の者じゃないよ。」と言ったそうだ。

そんなバカなこと、などと話ながら遮断機が上がり踏み切りを渡っていると、”その男”とすれ違いざま、「なんで分かった。」と、具合悪く伏せていた女の子が男の声でしゃべった。

車中みんな呆然。
体育の先生だけ真っ青になっていた。
山を降りると女の子は何もなかったように普通に戻った。
もちろん「なんで分かった。」の件は覚えてないようだった。

俺は取り憑かれた女の子と車中で一緒に居たのだろうか?

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