うちの母さんと妹が二ヶ月前くらいに体験した話。
急用で実家に行ったその帰り、夜の七時くらいにE県とK県の県境を車で走ってた。
高速道路が苦手だから敢えて山道を選んだらしい。
で、車走らせてて、気がついたら前方にJRバスが走ってたそうな。
まあ別に普通のことだし、時間も時間だからガラス越しに見える後部座席とかもうガラ空きで、母さんは特に気にせず運転していたらしい。
けどそのとき助手席に座ってた妹が前方眺めてぽつりと。
「うわーめっちゃ混んでるね」って。
母が「え?何が」って妹に問うと、妹は母の方に視線向けて「前のバス、めっちゃ混んでるやん。」
「うそ、ガラ空きやん」
「えー混んでるやん」
訝しく思ったのか妹が、もう一度前方に視線戻して、それからぎょっとしたように「あれ?」と、つぶやく。
「さっきまで確かに混んでたのに」
「はあ?普通にすいてるやん」
「いやめっちゃ混んでた。みんな座れなくて立ってるくらい混んでた」
「いや、ガラ空きやん」
「でもさっきまでは確かに混んでた。学生服の男の子とかが手すり掴んでぶらぶらしてたしサラリーマンとかも」
で、二人が帰り着いて、わたしにその話をしてくれたんだけど、状況が状況だけに嘘じゃないと思う。
妹はしょっちゅう金縛りにあったり幽霊見たりするからガチだと思うけど一体なんなのか解らん。
『学生服の男の子』とか描写も具体的だし見間違えるわけないし。
そのまま前方にバスがあるまま走ってるのは怖いんで、スピードあげてバス追い抜いたとき横みてみたら、やっぱりすいてて、二、三人が座ってる程度だったそう。
明らかに立ってる乗客なんていなかったらしい。
だけど、妹の言う状況描写は詳しいし・・・。
ぱっとみ怖い感じではなかったらしいけど、どう考えてもその時間に山道を学生やリーマンはおかしいし、よく解らんわ。
でもまあ、ほんとに本当の話です。