ガキの頃の話。
近所のマンションで飛び降り自殺があった。
そのマンションは10階建てくらいなんだが建物の中は2階くらいから最上階まで吹き抜けになってて、らせん階段がついてた。
それで放課後友達4人と興味本位でそこに行くことに。
エレベーターで2階まであがって一歩出ると数メートルの廊下の先に、例の現場があった。
ビビリながらも進んでみたが、現場は綺麗に片付けられ何も目を引くものはなかった。
ガックリ半分、安堵が半分。
そんな感じだった。
そのうち一人が、「あそこのらせん階段登ろうぜ!」って言い出した。
そんなに怖くはなかったんだが、俺は登らずに一人で3人が登るのを下から眺めてた。
階段の一段一段の隙間から友達の靴とスネが見えてた。
キャアキャア言いながら登っていくのを見てたんだがおかしなことに気がついた。
4人いる!
その足はよくみると素足。
膝下より上が見えない。
3人の後を追うように足だけが階段を登ってるのが見えた。
頭のてっぺんの毛まで逆立つ俺。
何も知らず無邪気に登る友達。
「おまえらすぐに降りて来い!!」
友達はすぐに降りてきた。
「何があった!?」そう聞かれるが、答えようが無い。
足は下りてくる友人とすれ違ったがそのまま上に上り続ける。
釘付けになってる俺の視線に気づいた友達の一人が、階段を見上げる。
「あ!あれ・・・!!」
その場にいた全員が俺と同じものを見た。
恐らく女の人と思われる白い足。
それはゆっくりらせん階段を登って最上階にたどり着いた。
ふっと足が消えたかと思うと、俺達のすぐそばで、「バン!!!!」って音。
「うわああ!飛び降りた!!!」
全員でエレベーターに飛び乗りマンションを脱出。
全員半泣き。
もう二度と肝試しはしないと思った。