これ、心霊写真じゃね?

高校生の時、プリクラを撮るのが好きな子と仲が良かった。
私とも沢山一緒に撮ったけど、他の子と遊んだ時も必ずと言っていいほど撮っていたので、月曜の朝なんかは学校に到着するやいなや、真っ先に彼女から新しく撮ったプリクラを何種類かもらう、っていうのが挨拶みたいになっていた。

彼女(名前をPとします)には、高校で離れてしまった幼馴染のCがいた。
私とCは直接面識は無いものの、PはCとよく一緒に遊びに行き、撮ったプリクラも私にくれるため、私のプリクラ帳の結構な割合をPとCのペアが占めていた。

さて、そんな平和な日常を過ごしていたある朝。
いつも通りPはCと撮ったプリクラを私含む仲良しメンバーと交換していたんだけど、1人が妙な事に気が付いた。

「あれ、なんでこのプリクラだけ3人なの?」

プリクラは一枚のシートに何種類かの小さな写真がついてくる。
問題のプリクラは、同じシートの他のものはPとCの二人っきりなのに対し、一種類だけ三人で写っている・・・ように見えるのだ。

いや、ぱっと見では2人なのだが、PとCが並んだ肩の間から短い髪の毛が生えていて、それを辿ると頭の形をしており、生え際とおでこの部分のような部分が確認できた。

Pは「肩にかかった私の髪だよ~」と笑っていた。
しかし、見れば見るほどPの頭部からの髪の流れとは全く別物にしか見えない。
当時よくプリクラを撮っていた私たちは機種もよく知っていた。

細かい落書きはできないし、こんなリアルなホラースタンプだって無い。
それに、撮影スペースだって知らない人がこっそり紛れ込んでイタズラできるようなものじゃない。
何よりPは超が付くほどの人見知りなので、他人と撮るなんてありえないのだ。

「これ、心霊写真じゃね?」

心霊写真、もとい心霊プリクラをめぐる騒ぎを聞きつけた他のクラスメイトも集まってきてちょっと騒然となったけど、もう朝のHRが始まる時間だったのでチャイムと共にそこで騒ぎは収束した。

しかし気になって朝のHR中、自分のプリクラ帳とにらめっこをしていた私はもう一つの発見をしてしまった。
それはその当時からさらに遡ること2、3ヶ月前にPがみんなに渡していたプリクラだった。
それも例によってPとCのものだったが、Pの指が9本あったのだ。

ここで私は別の考えに至る。

『ひょっとして気付かないだけで、プリクラって近くのものが滲んだり増えたりして、心霊写真みたいに撮れちゃう現象がよくあるのかも?』

そう思い、自分の持ってる数百枚のプリクラが収められたプリクラ帳を頭から全部見返した。

しかしその推理とは裏腹に・・・不思議な写りをしたプリクラはこの2枚だけしか存在しなかった。
Pは怖がってる様子ないし、私たちへのドッキリなのか?それともCがホラー好きでPを怖がらせるためにやったのか?
HRが終わり、私たちの中から様々な憶測が出たものの、結局本物の『心霊プリクラ』ではないかいう結論に落ち着いた。

よくある怖い話だと、この後そのプリクラ機を皆で一緒に検証しそうなものだが、グループの人々はクールで、オカルト好きな人も居なかったので、『そういえばPって心霊写真みたいなプリクラとってたよね~』みたいな話題が笑い話として出る程度で、その後、深い追求はされなかった。

それから月日は流れ、10年ほど経った去年の春。
Pは結婚し、第一子を出産した。
私は出産祝いも兼ねて、当時の友人達とPを訪ねていた。
そこでふと高校時代の心霊プリクラの話題になったのだ。
改めて聞いてみたが、やはり撮ろうと思って撮ったトリックではなかったらしい。

「もし撮ろうと思って撮ったものなら、皆と撮る時にもやりまくったよ~!」と。

アレがなんだったのか改めて見てみたいねーという話になり、Pは当時のプリクラ帳を持ってきてくれた。

懐かしいプリクラが沢山あって、話が弾んだ。
そして、呆気なくプリクラ帳は最後のページまで来てしまった。
盛り上がりすぎて見過ごしてしまったのか?
もう一度、最初から。今度は当時の話題に逸れることなく、純粋にPとCの撮った奇妙なプリクラを探す。
しかし、やはり見当たらない。

Pに確認してみると、「記憶にはないし、自分はそんなことしないと思うけど・・・ひょっとしたら当時、気持ち悪くなって捨ててしまったのかもしれない」と言っていた。

まあ、当事者はそうだよね。という話になり心霊プリクラの話はそこまでで、後は違う話題になっていった。

それから。
Pの家から帰宅し、私も心霊プリクラを探してみた。

しかし、見つけられなかった。

私のプリクラ帳からも消えていたのだ。
年代や顔ぶれからこの時代のプリクラ帳で間違いない。
大学生になってから、例の心霊プリクラを複数の友人に見せた事もある。

びっしりと貼られたシール台紙に後から剥がしたような隙間は無く、ページごと破られた形跡だって無い。
まるで初めから存在しなかったかのようだった。

しかもその消失現象は私とPの身だけに起こったのではない。
Pの出産祝いに一緒に行ったた内の1人がプリクラ帳を確認したが、やはり見つけられなかったというのだ。

「見つけたら写メを撮ってグループLINEに載せようと思ったのに・・・」と悔しそうにコメントしていた。

そのコメントを受け、「実家にプリクラ帳置いているから帰省したら探してみる!」と言っている友人が他にもいるが、・・・個人的にはもはや、見つかってほしいような欲しくないような。

背中が薄ら寒い気分だ。

ちなみにその『心霊プリクラ消失騒動』から1年以上経過しているが、見つかったという報告は今のところ、無い。

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