丁度その頃切れたのよ

自分の話。

5日前、父と二人で山菜採りに行った。
目的地の近くの山中に旧炭坑街の廃墟があるのだが、中でも旧病院跡の建物は『出る』と噂されているそうだ。

父は前日から、「心霊スポットを通過しないといけない」「通るとプレッシャーを感じる」などと言っていた。

絶好の天気に恵まれた当日、どう考えても事故を起こさないような直線道路で、ベテランの父が事故を起こしそうになった。

対向車線に飛び出して、正面から来ていたダンプと衝突しそうになる。
すんでのところでハンドルを切って、ことなきを得たが親子そろって血の気が引いた。
間もなく肝心の病院前を通過したが、何も起こらず沢山の山菜がとれた。

帰宅して、知り合いの葬儀に参列してきた母に事故りそうになった話をしたら、「それ何時頃?」と訊かれた。

「十時半過ぎ」と答えると、切れた数珠を見せられた。

「丁度その頃切れたのよ」

その数珠は、父と俺を可愛がってくれていたひいばあちゃんの形見の品だった。

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