山道というか、だいぶ人里に近い高野山の話。
あのあたりの道は今は観光バス用に広く整備されたものの、地元民御用達の細~い林道も多い。
そんな道は日暮れと共に真っ暗になり、暗さゆえに道の脇のため池に車が突っ込んで昇天した人が、1ヶ月くらい後に発見されたり、道から見上げれる杉林の中では、首つってる人がいたりとか、極楽浄土に繋がる高野山だけあって、なかなか迫力あるポイントが多い。
うちの旦那はそんなところに実家があるのだけど、数年前、父親の葬儀に行った際、ちょっと不思議なことがあった。
喪主をやるので葬儀屋や檀家の寺との打合せや、銀行への口座解約などで忙しく、車であっちこっちと走り回り、一日に何度も家から大きな通りに出る林道を抜けていた。
その林道の出口には小さな橋が架かっているのだけど、なぜかその橋の上に来ると車がエンストする。
んで、ロックがガチャっと開く。
数秒で窓ガラスが一気に曇り始める。
しかも車内で仏壇の「チ~ン」という音が鳴る。
ビビッてもう一回エンジンをかけると普通に走り出すのだけど、帰路に同じところを通りすぎると又エンスト。
行ったり来たりするたびにいちいち止まるので、最後はいい加減慣れてしまったのだけど、葬儀諸々済ませて、帰路に普通の街中を走って帰宅する際にも、定期的に背後で「チ~ン」が鳴り響いてきて、一日中超怖かったっけ。