私の母方の遠縁にあたるKさんは、いつもという訳じゃないけれど見えてしまう人。
Kさんは私の祖母と殆ど歳が変わらない。
Kさん夫婦は、私の母方の祖父母の家に、長年住み込みで生活をしてくれていた。(10年くらい前から別のところに住んでる。)
私が小学生の時に祖父が倒れ、そのまま意識が戻らず逝去。
そのお通夜と密葬のために、私も母たちと共に祖父母の家に。
祖父のことが大好きだった私は号泣しまくってたので、そのまま泣き疲れて寝てしまった。
通夜・密葬をした仏間の前の廊下を突き当りまで行くと、祖父の書斎がある。
Kさんがお葬式などが全部済んだあと、私に「お通夜の時、夜中に旦那様(祖父)が書斎に入っていかはったのを見た。」と言う。
祖父はいきなり倒れてぽっくり逝ったせいで、自分が死んだという自覚がなかったようだ。
その後もKさんから「見てしまった」話を聞くようになった。
見てしまった後、必ず私にKさんから相談(?)が来る。
私が声とかがはっきり聞こえる体質なら良かったのかもなぁ。
なんとなくしかわからないのでいつもKさんにはちょっと申し訳ない・・・。
Kさんの話をもうひとつ。
今、Kさんご夫婦は団地住まいです。
Kさんの趣味はカラオケ。
カラオケ教室に通っていました。
そのカラオケ教室の先生が持病で亡くなった後、先生の旦那様が疲れや気落ちもあって、お葬式の後、体調を崩されて入院なさったそうです。
それでカラオケ教室の生徒さんみんなでお見舞いに行って「また元気になったらお稽古しましょうよ」って話をしていたそうです。
その方も「そうやね。はよ元気にならないかんね。」と仰っていたそうです。
Kさんからうちに電話があったのはその旦那さんが自殺したという件ででした。
明け方、Kさんの夢にその旦那さんが出てきて、無言で立っていた。
「いつ退院しはったん?退院するなら迎えに行ったのに。」と言おうとしたら、その人の顔の左半分がぼやけていて、じーっとこっちを見ているだけだったのでおかしいなというところで目が覚めたそうです。
その数十分後に「入院先の病院からタクシーで抜け出して、踏切に飛び込んで亡くなった」という電話が他の生徒さんたちから回ってきたとのこと。
また、皆さん、同じ団地内の方なのですが、家のドアを開けてすぐの所にその方が立っていたのがほぼ同時刻に数人の生徒さんが見ておられたとのこと。
Kさんが怖がっていたのは「なんで夢や皆の家の傍に出てきたのか?」でした。
自宅を思いっきり越えたその踏切までなんでわざわざタクシー呼んでまで死にに行ったんだ?と思って、現場近くまで一緒に行きました。
どうも退院後にご長男と同居の話が出ていたのですが、亡くなった奥さんといた団地から離れたくない、ともめておられたとのこと。
無理矢理同居させられるのならもう年も年だから奥さんのところに行こう、が動機だったようです。
「おばちゃん。お稽古しようって、誰から言ったん?」と尋ねたら「生徒さんたちから言った。」という。
「その方からお稽古しようって言ったんじゃないんやね?」と確認したら、やはり、皆が言うから仕方なく「やろう」と言ってくれていた様子だったという。
「皆が楽しみにしてくれてるお稽古、もうできないって言えなかったから言いにきはったんよ。最期に。」
ぼやけていた顔半分は、電車と接触した時に怪我した側でした。
でもKさん達は血は見なかったとの事なので、朝から血塗れで知人を訪ねて驚かせたら申し訳ない、というその方の心遣いのように感じました。
その踏切は、病院や団地までの距離が、道がすいていても車で15分くらいはかかる距離。
住宅地もあるし国道沿いでもあって賑やかな所なんですが、通るしかなくて通った時に「なんでここ、こんな引っ張られるん?」って場所。
踏切を超えたところに飲み屋があるんですが、落ち着かないので誘われたら大抵断っていた場所でした。(後々になってからその踏切、事故や飛び込み多数、何か出ると評判の所だと判明)