幼稚園の時に祖父母の家に遊びに行くと、いつもお内裏(だいり)様とお雛様のような格好をした人がいた。
その二人はいつも二階の部屋にたたずんでいるんだけど、その部屋で遊んでいても別に怖い感じはしなかったので、お互い干渉せずにいた。
あと玄関の脇には小さい入り口があって、そこから入っていくと真っ白な広い部屋に行けた。
先が見えないくらい広かった。
家の改装をしてからその二人は見かけなくなり、広い空間への入り口も塞がれたのかと思ってた。
ふと大人になってからこの事を親にたずねてみたんだが、その二人はよく分からんが、確実なのは玄関の脇に入り口なんてなかったと言う。
じゃあ玄関から通じてたのは記憶違いなのか?と思って、広い倉庫は?と聞いたんだけど、「そんなものもない」と言われた。
あの家は、元々旅館だった建物を買い取って、うちの土地へ運んできたらしいので、もしかすると不思議な二人や、広い空間は建物について一緒に来ていたのかなと思う。