彼のお父さんが亡くなったときのこと。
私たちはお互い結婚するつもりだったのだけど、あちらのご両親がひどく反対していて、私はまだ会いにもいけなかった。
ある日、寝る前に彼から「親父の調子が悪くなったから病院に行って来る」と連絡があって、私は心配しながらも眠ったのだけど、夢の中に一人の老人が現れた。
少々薄めの頭髪、ブルーの浴衣のようなものを着てた。
バックはすごく明るくて、顔はよく分からなかった。
で、老人と私の会話。
老人:「・・・あんたか」
ちょっと尋問口調で聞かれた。
私:「あ・・・初めまして。○○さんのお父様ですか?」
老人は黙ってうなずく。
私:「今まで本当にお疲れさまでした・・・一度ぜひお目にかかりたかったのですが残念です・・・」
老人:「(長い沈黙)・・・・・・そうか・・・○○を頼むわ・・・」
私は許してもらった嬉しさとお父様が亡くなられたことの悲しさで半泣きしながら、でも笑顔で「はい、お任せ下さい」と答えたら、お父様は初めてにっこりと笑い、いっぱいの光に包まれながら消えていった。
それからすぐ、枕元に置いてあった携帯が鳴って、彼が半べそかいて「オヤジ、死んだよ・・・」と。
四十九日が済んでから彼にその話をしたら驚いてた。
彼は私が半分巫女体質なのを知っているので、すんなり信じてもらえた。
お父様が他の方にもどうやら根回ししてくれたらしく、急に周りの態度が軟化しだして・・・来年私たちは結婚します。