俺がパチ屋の深夜清掃のバイトをしてた頃の話。
郊外にある大きな駐車場付きの店舗で、原付で通っていた。
終れば日付変わってるし、族っぽい走り屋にも遭遇したし、よくパトカーに止められ職質されたな。
仕事が終って駐車場に出ると、端っこの方で子供が走り回ってるのんよ。
メインの電源落とした後の、薄暗い照明がぽつぽつある中、ライトのあるポールの下だけがぼんやり明るくて、その光のサークルを小さい影が横切る。
すると「ててててっ」っと足音がする・・・。
「あぁ?」こんな時間にと思って確認に行こうとすると、「やめとけっ!」後から思いっきり
怒鳴られた。
バイトの先輩格の兄ちゃんだ。
仕事で失敗してもそんな怖い顔された事ない。
俺:「え、いや、今、子供・・・」
先輩:「いいから、見に行ってもそんなの居ないから!」
言葉を遮られた上、ぐいっと肩を引っ張られる・・・。
正直ムッとしたが、凄い顔で睨んでる。
ビビッてその日は帰ったが、その人とはそれっきり二度と会わなかった。
結局、その日以外、子供(の幽霊?)は見なかったが、当時はパチンコで身持ちを崩して一家心中とか、炎天下、車の中に置き去りにされて、脱水症で死ぬ子供の事件なんかがちらほら出始めていた。
その店の駐車場で、誰かが死んだなんて話は聞かなかったが、そんな類だろうな・・・。
今はもう移転したか潰れたかでそのパチ屋は無いが、あの子は、出てくる筈の無い親を駐車場で待っているのかな?