私の友人で市民病院の外科病棟の看護婦がいます。
時々怖い話を聞かされます。
交代勤務の為、一番ヤなのは夜勤だそうで、ナースステーションは明るいとはいえやっぱ雰囲気的にヤだそうです。
ある夜深夜2時頃、慌ただしく急患が運ばれて来たそうです。
急患は珍しくないのですが、一番イやな事故患者。
20代の男性で脳挫傷を起こしていてストレッチャーも血だらけ。
集中治療室へ運んだ時には息絶えていて即死状態だったそうです。
運ばれたとき目がカッと開いていて思わず目をそむけた位怖かったそうで、その時、赤黒い濃い血の塊を見て思わずウッとなったそうです。
うわさで、それからというもの、病院内深夜2時頃、黒いヘルメットをかぶり白のTシャツ、黒のジャケット姿の若い男性が歩く姿が目撃される様になりました。
それを耳にした時、彼の女は見覚えがあるだけにぞ~としました。
そんな事も忘れる位忙しい毎日を送って2週間位して忘れた頃、また夜勤当番の日です。
深夜で仮眠をしている人もいるのでので2人で当番をしていると、ナースステーションのガラスごしに人の呼ぶ声がするので行ってみると誰もいません。
もう一人の人も聞こえたと言うので変だな、と思い中にいると、また呼ぶ声がします。
誰か・・・そう聞こえるので、もしかしたら容体の急変した患者がここに来ようとして動けなくなっているかもしれない・・・そう考えたら思わずナースステーションを飛び出たのです。
しかしトイレにも廊下にもやっぱり誰もいません。
するとエレベーター4台を見回すと1台地下へ動いて行きました。
地下までのは職員専用で一般、患者は乗らないのですが、彼女は吸い寄せられるようにボタンを呼び戻し地下へ行ったそうです。
すると地下1階に下りるとあの若い男性がスーと近ずいて来ようとするのです!
姿は事故前なのか血もなくこっちを見てすがる様な目をするで、思わず怖さも忘れて声をかけようとしたら、すっっと消えてしまったそうです。
不思議とその時はそれ程怖さがなかったようです。
直感的に悪い霊ではないと感じたそうです。
あとで挨拶に来た彼の母から聞いたのですが、彼が事故の時か病院かで彼女からもらった金のブレスレットがないのでとても気にしていたそうです。
それを聞いてとても悲しくなって涙がとまらなくなってしまったと言っていました。
きっと探していたのでしょうか・・・。
それから、まもなく彼の姿は現れなくなったそうです。
ご冥福をお祈りします。